まだ見ぬ福島のロードマン

今朝は「火曜プッチ」へ。


日の出は遅いが気温は高い。良い朝だ。

今日は朝練。
5:00 自然に目が覚める。


15分だけ3本ローラーでアップ。
汗がじんわりくらいの強度で。
やり過ぎると外に出た時、汗で冷えて逆効果。
日々学んでいる(笑)。


道すがら街灯のない某橋で
右から斜めに横断してきた無灯火の
ママチャリに危うく追突しそうに…


紺色のコートを着た50代くらいの
サラリーマンな方ですね。


装備といい状況判断といい日本社会を舐めてますね。
以下省略(笑)


今日の参加は計4名。
D241、オハラ、キタワキ、私。
ダンディ&アカデミックな大人の男子会。


登坂力に秀でたD241さんが無意識で登った3周目が
maxだったが「もう10秒遅くしてください」と
指導を入れ、あとはほぼ計算通り。


終了後は准教授からログ分析のレクチャー。
大変参考になった。


粛々と大人の朝練、冬もいいね。


さて…


先日のWave忘年会の席でのこと。


この日は総勢85名ものメンバーが詰めかけたらしい(主催者発表・笑)。


なかにはFBでやり取りしたことはあるが初対面の方も多々おられ、


そうした方々と挨拶&いろいろな話ができたのも


大忘年会ならではの妙味となった。


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その話は、ちょうど恒例のジャンケン大会が始まって間もない頃のこと。


一人のロードマンが私の隣へやって来た。


その方とは、面識もあり、何度か練習もご一緒したことがある。


物静かで礼儀正しく、筋の通った大人の男。


夏の中山ロードでは同じ年齢別カテゴリーで走った戦友でもある。


その方(Fさん)が隣に正座するなり私に「ふたつ伝えたいことがある」と切り出した。


真剣な眼差しで、しかも正座。「足を崩してください」といっても譲らない。


その頃にはかなり出来上がっていたのだが、


ジャンケン大会の喧噪の中、聞き漏らしてはいけないと私も居住まいを正す。


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Fさんが伝えたいことの、まずひとつ目は、夏の中山ロードでの私へのお礼。


それは私がレース中にFさんに成した行為のことだが、その話は割愛する。


正直、お礼を言っていただくのが申し訳ないくらいの話だから。


書き残したいのは、二つ目の話。


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Fさんには福島県に親友がいる。


その親友は私と同じ歳らしく、ロードバイクを愛し、


ロードレースの強者としてこれまで様々な大会で戦績を残してきた。


そんな親友だが、2年前にガンを発症した。


それ以来、抗がん剤治療を続けているそうだが、


当然、ロードバイクを駆る機会は必然的に減っていった。
抗がん剤の副作用については私も親父のこともあって少なからず知っている)


残念だが一時はまったく乗らなくなったらしい。


そんな親友に対し、ある時Fさんが「岡山ではWaveというチームで走っている」と伝えた。


すると親友はWaveのホームページを探し、そこからどうやら私のブログを見つけたらしく…


あ、話がまどろっこしくなってきた…


結論から言う。


Fさんが言うには…


「ずっと自転車に乗らなかった親友が、akaさんのブログを読んで


もう一回ロードバイクに乗り始めた」


とのこと…


「今日はどうしてもそのことを伝えたかった」とも。


「う〜ん」


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その頃、ジャンケン大会は佳境を迎え、周囲はやかましいこと甚だしい(笑)。


そんな中、私は涙を流しながら話しかけるFさんと二人、大宴会場の真ん中で


遠く福島にいらっしゃるまだ見ぬロードマンの姿を思い描いた。


イメージしたのは…


「がんの治療をしながらロードバイクに乗り続けるということ」


その意志と、その心持ち。


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いつもは「ブログは日記がわりに書いている」とスカしたこと


言っている私だが、そうはいっても「読んでます」とか「楽しみにしてます」と


言われれば、まったく悪い気はしない。というか素直にうれしい(どっちやねん)。


でも今回のような話は…


私はロードのプロでもないし、実業団のトップでもないし、


ましてやRoppongiさんや筧五郎選手や白石選手のようなスター選手でもないし、


誇れるような戦歴もないし、それどころか来年仕事があるのかどうかさえも分からない、


私生活も、いまだ宙ぶらりんな単なる物書きロードマン来年50歳…これが現実。


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福島のその方が私のブログを見て、なぜ再び走り始めたのか


その真意は分からない。


同年代へのシンパシーか、失われつつあったロードレースへの心鳴る発露か。


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思うに…


ちゃんとやろう。


ちゃんと仕事して、ちゃんと練習して、ちゃんと生活して、ちゃんと生きる。


ちゃんと怒って、ちゃんと笑って、ちゃんと泣く。


私にはそれしかできない。


さて、明日も走るよ。