広島県サイクルロードレース大会:レポート

何から書こうかと、ふと昨日のレースを思い出したが…
生来の淡白な性格のためかどうも高揚した気分の残像だけが漂っているようで
昨日、広島を走ったという実感がすでに乏しい感じ(アホなのか)。


運営には定評のある広島車連。もう正式なリザルトがアップされていた。


【1周目】
7時50分集合、8時スタート。雨は小雨になったとはいえ、路面は完全ウェット。
ところどころに水が浮いている。テンションはダダ下がりなれど、脚力の劣るワシが
気持ちでも負けていたら救いがないと無理やり前向きなことを考え始める。
歓喜のゴールシーンとか…)。


並んだのは前から3番目あたり。最前列にはチーム岡山のみむtさん、
アンドーさん、ナカニシさん。ワシの隣には塾長と鷹さん。
いつもは誰からも恐がられる二人の顔も今日ばかりは天使のように癒される…(な、わけないな)。
ふと周りを見回すとシクロワイアードもろもろでよく拝見する顔がずらり。
みんな淡々と気負いもない様子。場馴れしている感ありあり。


スタート10秒前の声を聞く。右足のクリートをセット。一発でOK(当たり前だよ)。
5…4…3…2…1…


スタート→→→


立ち上がりから一気に加速する大集団。ちょっと意表をつかれたため遅れ気味で
ストレートから下りの入り口へ突入。すでにサングラスは水しぶきで視界最悪。
するといきなり左前方で落車発生。怒号の中をブレーキかけて右へかわし、
トルクをかけて前方を追うもすでに大集団は加速度を増して下りへ突入している。


「またかよ〜」。春の西チャレと同じ展開だなと思いつつ下り始めたが…
さすがの実力者たちもウェットな路面にかなりナーバスな様子。
思ったよりスピードが上がっていない。1周目は路面コンディションの様子見か?


で、登り返しで前に上がれるかと思ったら…
これが、とんでもデベソな甘い考えで、前に着くのが精一杯。
波状攻撃のように続く登り返しを繰り返すうちに…やばい、キツイがな〜
西チャレB-2のときは逆に脚を休めていたアップダウンで乳酸ジワジワ発生するの図。


なんとか下りきって三段坂手前のトンネルまで到達。
左前方に見慣れた白赤青のジャージ…みむtさんだ。
一声かけようかと思ったがこちらも余裕なし。


トンネルを潜ってこれから登り…と思った瞬間、右前方でまたもや落車発生。なんで?ここで?
またしてもブレーキ、左にかわして、即フル加速。ただでさえない脚をさらに削るの図。


で、登り始めて一瞬で分かったのが…ワシ全然脚ないがな〜
やっとこさ大集団のしっぽまで追いついたのに、前方はえらいスピードで登っていく。
なんとか中切れの合間を縫って展望台の登りを進む。しかし先頭はピークを越えて
猛スピードで高速区間へと進んでいく。


もうここは…戦術的にピークからの下り平地は、絶対に集団に紛れ込まねばやばいと
フルもがきでピーク越え。ギリギリ第2集団(?)のしっぽに噛り付く…
しかし、すでに脚は赤ランプ点灯。まだ1周終わってないんだけどねえ〜


高速で平坦区間をクリアし、スタートゴール地点手前の九十九の登りへ。
登り右手に陣取るWAVE応援団の声援のみを心の糧に1周目終了。
サイコンチラ見で20分5秒。あと6周…(もう本気涙)


【2周目】
下りに入ると1周目で感触をつかんだのか集団のスピードは確実にアップ。
集団前方のメンバーは当然第一集団を追っているので下りとはいえ脚が止まることはない。


ほんの一年前まで下りがヘタクソで緑ジジィらに笑われていたワシだが
この一年で下りに関してはかなりバイクコントロールできるようになったため冷静に対処できた。
ロードレースの場合、下りがこなせないと勝負にならない。
練習しておいて良かったとしばし感慨に。


路面はまだ完全ウェットだが急ブレーキさえかけなければドライ同様に下ることができる。
もちろん濡れたBORAでは急ブレーキなんてかけられるはずもないけど…


相変わらず登り返しのスピードはホビーにはないもの。踏むとダメージが付加するので回す。
さすがにこのクラスになると先頭が少しでもタレると次々と後続が捲くってペースは落ちず。
登り返しの速度域の違いを再度痛感する。


そして三段坂…一段目、今まで感じたことのない脚の疲労感。踏めてない。
後ろからダンシングで抜き捲くられる。ダンシングとシティングを混ぜ
ごまかしながら懸命に着いていく。全身もうドロドロ、冷えた爪先が痛い。


展望台登りで、さらにペースアップ。もう回転させるだけの脚もなく、
ド素人ばりのダダ踏みで食らいつくも…5、10、15mと視界から遠ざかる集団。


この集団から遅れたらジ・エンド。100%終了。だってまだ2周目。
本能的にレースの流れから鑑みて、その重大性は分かってはいるが…着けない。


恐れていた最悪の状況。
なんと2周目の展望台から一人ぼっちだよ〜


後ろから集団は来る気配なし。とはいえ脚は止められない。
九十九のWAVE応援団の前を屈辱の単独走。


みんなの声援が、まるで小学校のときの運動会でドンケツを走る気のいいデブに
おくられる声援みたいで情けないやら、悔しいやら…チクショ〜
たった2周にして終戦かよ。温かい声援がツライ。


【3周目】
折れまくったハートを胸に3周目へ。あと5周かよと思うともう絶望のどん底


とりあえずドリンクを一口。なんたってソロだからね。
心は土砂降りだったがワシもいい歳からげてウジウジするものアホだと思い
下りに入ってから、ちょっと一人で考えた。


そうだよ!一人のメリットを考えよう…冷静に。
答えはひとつ!前も後ろもいないんだがら下り攻めるしかないやろ!
一人ならライン取り放題!!!


つぶれない程度に踏んでチャンスを待つ。後ろから集団がきたら
そのスピードに確実に着けるだけの脚を残しておく…完璧な戦術じゃがな。


とはいえそうはうまく行くはずもなく。ソロのためどんどんタイムを浪費。
テンションも切れそうになったそのとき。赤白ジャージの方がいいペースで追い越していく。
場所は確か三段坂の手前くらいだったか…。そこまでソロ走りでLapは最悪。


行くしかない。もう行くしかない。呪文のように唱えながら
赤白ジャージ(サイクルプラスさんです)に追いすがる。


駄菓子菓子…
三段坂に入ると、えらい登りが速いがな〜壊れかけの下半身のワシにはキツイ、キツイペース。
とはいえ当然、サイクルプラスさんは緩めてくれるはずもなく、ハイペースのまま登る。


苦しさのあまり、レバー持つ手首が骨折するんじゃねえかくらいの
オールアウト寸前になんとか展望台をクリア。ここで着かねば本当に負け犬。


九十九までの高速区間でできるだけ脚の疲労を抜く。時折ローテしながら二人で進む。


【4周目】
地獄に仏のサイクルプラスさんのおかげでなんとか4周目へ突入。
そこからは、多少回復したのでお互いにペースを落とさないよう暗黙のローテを繰返す。


その頃から前の集団から落ちてきた人を何人かパスするようになる。
みんな本当に辛そう。うなだれて止まっている人もいる。


三段坂はサイクルプラスさんのペースにやっとこさ着いて行ける程度。
ただもうこうなったら切れないことを優先。


【5周目】
下り区間の終わり辺りで、もう一人のサイクルプラスさん(便宜上、2号さん)に追いつく。
チームメイト同士、当然声を掛け合ってやっと二人から三人へ。


で、この2号さんが息を吹き返してからの速いこと。カラダは筋肉の塊で岩みたい。
平地とか速いんだろうなと思っていたら登りも速い(当たり前か)。


サイクルプラス二人でガンガン行き始めたので、こりゃマズイとすがりつく。
ワシも脚はすでに売り切れていたが踏み倒す二人を見ているとそんなこと言ってられない。


【6周目】
2周目からずっと一緒だった1号さんも疲れが見え始める。代わって2号さんが懸命の踏み踏み。
知らないチームじゃないので、ワシもヘタレルわけにはいかない。ただ踏ん張るもギリギリ…


この周さえ、クリアすれば完走できる。ここまできたらしたい。
絶対完走したいの気持ちだけでペダルを回す。


三人必死。言葉はない。
ジャージこそ違えど、同じゴールをめざすものとして
ワシもひとつの有機体となってゴールをめざす。


【7周目】
ラストの鐘を聞く。もうDNFはない。だからといって緩めはしない。
ゴールラインをチラ見。ハリーホッタさんの姿。
「akaさん!!!!」ありがと。しっかり聞こえたよ。うれしいかったあああ!


で、下りに入ると2号さんが猛烈なペースアップ。もう肉弾丸です。
ここまで来てもまだ踏みまくるその闘志。だったらワシも絶対に千切れるわけにはいかない。
7周回ってコーナーも覚えたので、ワシも踏み倒す。脚がどうのこうの…そんなん知るか。


登り返しで前に出る。落ちる前に2号さんが前へ。それを繰返すうちに
2周目から一緒だった1号さんの姿が消える。一緒にゴールしたかった本心から…



photograph by shino-blue.


そして…
展望台の登りで2号さんの渾身のダンシング。魂入っとった。
ワシも攣りそうな脚をごまかしながら、必殺ダンシングで追いかけるもマドンは進まず。
チ〜ン…


ただその後も全力。しかし伸びはない。
前を行く2号さんの姿を道しるべにひたすらゴールへ爆走。


九十九の登り、脚攣りそうでやばかったが無理やり回す。
塾長の「ラスト!」の声が聞こえる。もう前しか見る体力がない。
前かがみになりながら・・・・・・


ゴール〜



とにかくどんなにキツクても前に前にと出てくるサイクルプラスのロード魂に感銘。
強いチームのDNAを実感。けど、Mも負ける気はない。


ゴール後に1号さん2号さんと健闘を讃え合う。
100%ナイスガイだろう。また走りたいね。


最後に。
なにはともあれ、Wave応援隊の最強メンバー。ありがとです。
ワシは応援のチカラとか信じない冷血男でしたが、昨日は助けてもらったかな。
しのぶ〜、パン屋だんな、タカちゃん、鷹夫人、水色マドン…
ムロッチさん(ノービス優勝!)、頼りになるKuniキャプテン、大好きなhoriさん。


そして…
ワシ自身では絶対にエントリーしなかったであろう広島県ロードに
誘ってくれたRフジワラ塾長にマックス級のなんとか光線と誉れの光を!


で、レースから一夜明けて、塾長分析によると
塾長の昨日の平均出力はTD大山の10%増だったそうだ(驚)。
ワシレベルのタイムでもTD大山2時間50分レベルの出力とのこと…
(あ、今は銘酒飲みながら書いてるよ〜〜〜)


やっぱりワシは速いんじゃ〜
美山はちょっとガ〜んと行かんといけんね〜〜〜


ミジンコちゃん、よろぴこ〜