ロードの鬼とトラの鬼

Rフジワラさんのブログが非常に興味深かった。


遥か吉備路のむこうへ


以下はあくまでも私見
論点のズレ、考察の違いなど、
多々あるやもしれないが、その点はご了承を。
トラが嫌いではないので(笑)。


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トライアスロンにおいてはバイクは「つなぎ」トライアスリートの人はよく言う。
言っている人は大体、バイクが遅い人が多いのだが(笑)、
確かに素人の私から見てもレース全体のペーシングを考えれば「ラン」に
余力を残すのは当たり前と言えば当たり前の戦略だろう。


もちろん全国区のレースで上位を狙う人や世界を相手に戦う
トライアスリートは「スイム」「バイク」「ラン」すべてに高いレベルが要求される。


距離やコースの特性、気象条件など考慮したら3種目のアベレージが
安定している選手がコンスタントに成績を残すのは目に見えている。


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あ、やはり話が脱線しているな。


要はトライアスロン「マネジメント力」が要求される競技であって、
スタートからゴールまでいかに自分なりのペースを保ち、高い出力(結果、短いタイム)を
キープ、精神をコントロールしながらゴールできるかがポイント。


そうなるとこの「マネジメント力」というのが曲者で…。


「無理をする」のもマネジメントなら「無理をしない」のもマネジメント。


誤解を恐れずに言えば、例えば倉敷トライアスロンの参加者の中で、
「優勝」もしくは表彰台、入賞を狙って参加する人はごく一部だろう。
ほとんどの人は、完走することが目標…のはず。


そうなるとほとんどの人にとっての「最良のマネジメント」とは
決して無理をせず(オールアウトしない)、安全かつイーブンに自分を律することになる。


自分を律することが最優先だから、前を追う必要もないし、
抜かれたからといって悲観する必要もない。当然だ。


目指すはゴールのみであって、展開など必要ない。
笑顔で気持ち良くテープを切る自分をイメージして
出力をコントロール出来た人がトライアスロンの勝者だ。
ヒタヒタとね。


だから同伴ゴールもありだし、
完走者全員が勝者という競技でありながら
ある種矛盾したハッピーエンドを迎えることも許される。


会社経営者にトライアスリートが多いのも
「マネジメント力」と「自己達成感」を
スポーツを通じて実感できるからだろう。
あとヴィジュアル的にもスマートだしね。


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翻ってロードレースはどうだろう。


基本的に日本のロードレースは実力に応じて
カテゴリー分けされている。


なぜならそうしないと危険だし、レース自体が成り立たないから。


ロードレースは基本的に勝者は一人しかいない。
特異な場合を除いて完走したからといって誰も
祝福してくれない。(家族くらいか)


それどころかトライアスロンとロードレースの一番の違いは
トライアスロン「完走させるように手厚くサポート」してくれるのに対し、
ロードレースは「完走させないように厳しいレギュレーション」
設定されるところだろうか。


トップから5分、10分遅れで足切りなのだから、
もしトライアスロンでそんなレギュレーションを導入したら
「金返せ」と暴動が起こるだろう。
当然、大会は成り立たない。


でもロードレースで「金返せ」はこれまで聞いたことはない。
当たり前だ。


「あなたがヘタレだから足切りにあったんでしょ。
着に絡みたければそれだけのことしてからここに来なさい」

と大会本部の声(笑)。


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最後に。
高橋選手とは今年の岡山県ロードや8月の中山サイクルロードで
一緒に走る機会に恵まれた。


特に中山では2レースにわたって彼とシビアに周回を重ねたから
走力、精神力、そして人間性も嫌というほど分かったつもり。


彼は一流のトライアスリート
だから自己を律して己に勝つのは当たり前で、
常に他者に先んじて貪欲にトップを目指して戦っている。


誤解なきよう言えば、
競技者として彼が素質に恵まれたマネジメント上手な人間かと
言えば決してそうではないだろう。


Rフジワラさんが「ロードの鬼」なら高橋選手は「トラの鬼」


他者を蹴倒しても勝ちに行く。


でないと勝てない。はず。


だから勝てる。


レースだけではなく、練習の時も。


そんなこと思ったな。


異論反論は受け付けません(笑)。


終わり。