替えがきかないもの
昨日は、いろいろと思考を重ねていたら不慣れな脳が夕方ヒート。
こういうときは、ダラダラと…脳のストレッチをしてやらねばならない。
で、かなり久しぶりに行きつけの店へと会食に。
沖縄に行く前に行って以来だからかれこれ3ヶ月ほどご無沙汰。
ここを訪れたら愚直なまでに同じメニューしか食べない。
で、毎回同じメニューを食べてもその都度、うまいと思うのだから
ご主人の腕前は相当なものだろう。
奇をてらった料理はない。普通のおばんざい。
↓付き出しは生ハムとブロッコリーに胡麻ドレッシングを一振りしたもの。
なんでもない一品だが、ブロッコリーの茹で加減がええ按配です。
↓大好物の赤なまこ。カキ、河豚と並び、これがないと冬の酒席とはいえない。
子どもの頃は当然ながら大嫌いだったのだが…嗜好は変わる。
↓毎回注文するのがこの牛すじの煮込み。済みきったスープです。
ほとんど脂も浮いていません。なのにしっかり牛すじの旨味…なんで?
↓こちらも定番。さつま芋の天ぷら。天ぷら屋の実力は海老と芋で分かるが
持論だが、この天ぷらは天ぷら屋を凌駕している。衣サクサクで中ホクホク。
↓〆は黄にら雑炊。岡山人なら黄にらを食わんといけんじゃろ。
かつお出汁と黄にらの香りが一体となって…日本人でよかったと思う瞬間。
年配のご主人と奥さんが二人で切り盛りする町の料理屋。
お二人ともにそれなりの年齢だし、性格もさっぱりしているので
いつかはあっさり店を閉めてしまうのだろう。
安心して酒が呑めて、なんでもないメニューなんだが包丁の入れ方から
火の通し方からプロの料理人の技が本当に手ごろな値段で味わえる店が
どんどん消えていく。
一年でも永くやって欲しいが、客層は年配者がほとんどでワシが一番若いくらいか?
きっとメガ丼や創作的調理に慣れた若い世代には、オーソドックスな
味付けや定番的な品数は物足りないのだろうなあ(残念ながら…)。
岡山の街に京都や金沢のような懐の深さがあればいいのだが…
こういう店が残れるか残れないかは、その町が持つ文化的包容力が
問われているような気がするのだがどうだろうか?