決裂

今日は仕事でものすごく不愉快なことがあった。
こういう商売なので何年かに一度は、難しいお客がいてその都度、振り回されるのだが、
今回のお客は、本当に性質が悪かった。今年の初めから取り掛かり、何度も再提案、修正、
再提案、修正の繰り返し。やっと後は印刷だという段階まで詰めてから2ヶ月ほっちらかし。
再開したと思いきや、まったく別の部署の人間が介入してきて、すべてゼロから作り直し。



この時点で、ワシとしては発注元の代理店担当者にこの仕事からの撤退をお願いした。
なぜなら、こういう性質のお客のヤバさを長年の経験で感じ取ったから(こうした場合100%スタッフが疲弊する)。
要するに仕事を依頼する、受けるという最低限の信頼関係がまったく成り立っていない。
だから当然、相手の尊厳や能力を尊重するだけの人間性や器量もない。
そんな個人、組織に関わることがいかに危険かをワシは何度も痛い目にあっているので勘でわかる。
こうした場合、防御策はただひとつしかない。決して近寄らないこと。距離をあけることだ。



結局は自分の勘を貫いて、その時点できっぱり断ればよかったのを、担当者の泣きにほだされて
ジリジリと今日まで再提案、修正を再び繰り返し、最終的には最悪の結末となってしまった。



かいつまんで言うと代理店担当者は

  1. 「おまえじゃ埒があかないから制作の人間を連れて来い」とお客に言われる。
  2. つまり会議にワシが呼び出される(当然断った。強い口調で。なぜならロクな話にならないのが分かっていたから)
  3. それでも泣きつかれて悪意満々の会議に狩り出される。
  4. 結果、下記を経過して決裂。

打ち合わせが始まるなり、4人のお客から愚弄の嵐。こちらはワシ含めて3人。いわゆるサンドバック状態ですな。
こんなときは何を言っても話し合いにはならないので、歯を食いしばってガマンしていたら、その中の一人のアホンダラが
ワシに向かって「その態度はなんだ!」だって。あ、しまった!無意識のうちに「死ね死ね光線」を発射していたあああ。



よほど強力な「死ね死ね光線」だったのだろう。そのアホンダラは、怒りくるってもう大変。錯乱状態ですな。
「マズイ展開になった」と思ったが、ワシ的には最高度の冷静さで「仕事の話で伺っているんです。落ち着いて話しましょう」
「私は真剣にお聞きしているんです」って一応、他人事口調でシラ〜と言ったら、また怒りくるってもう大変。
とどめに「私は説教されに来たんじゃなくて、仕事の修正の話で来ているんです。普通にしゃべってくれませんか」って言ったら
そのアホンダラ…真っ赤な顔して「帰れ!!!」だって。



その後も立場上、少しは粘ったのだがワシの中のもう一人のワシが「メンドクセ〜、帰るで」とワシをそそのかすので、
「ほな、帰ります」と一礼して席を立つ。会議室を出て、長い廊下を歩き、駐車場へ向かうまでの道のりの長いこと。
代理店担当者が血相を変えてワシの後を追い、まとわりつく。歩きながらひたすら「スミマセン」「スミマセン」と
アタマを下げるので「申し訳ないのはこちらです。結局、お力になれなくてスミマセンでした」と一礼してその場を去る。



やっちまったか…
ただ、そのアホンダラには仮にどこかで会っても再度「死ね死ね光線」を発射して、アホンダラって言うだろう。
ただワシが思うに、発注者と請負の立場はあっても、その立ち位置を自分の実力だと勘違いするなということ。
そうしたことをわきまえるのがその人の品格とか品性だと思うのだが…。



明日は雨か。愛宕山は無理そう。残念。