行きつけの讃岐うどん

今週は、やっと金曜日までたどり着けたといった感じの一週間。特に昨日は不意の修正や要求が多くて…。
ストレスもピークに達していた。が、しかしなんとかメドもたったので一安心。イライラしても仕方がない。
で、今日の昼はここのところ、まともに食べていなかったので久しぶりに行きつけの讃岐うどん屋まで足を伸ばす。

岡山市富田町にある「潮来」。温厚なご主人と一見愛想はないが人はいいおばちゃんが夫婦で営んでいる。
ここのうどんは、太くてコシのあるいわゆる男麺で、最近多いツルツルモチモチタイプには望めない
がっちりとした食べ応えが魅力。出汁も削り節と昆布をベースにした、まことに上品な味わい。
かれこれ通い始めて15年くらいにはなるか。人気は和牛と青ネギがどっさりのった「肉うどん」や
揚げたてをのせてくれる「野菜天ぷらうどん」、もちろん釜揚げやざるも噛めば押し返すような麺が秀逸。
でも今日はお昼のサービス600円(アゲ、天ぷら、ワカメ、蒲鉾がのったうどん+おにぎり1個)にした。

かつて岡山市内にはこうした家族で営む小さなうどん屋が多々あったが、当然の流れながら年々減っている。
もう誰も知らないと思うがかつて現在のクレドビルの裏地に「讃岐路」という史上最強のうどん屋があった。
しもた屋の家屋で、中は土間。じいさん、ばあさん、娘さんが家族で営む由緒正しき日本のうどん屋
じいさんはかなりもうろくしていていつもばあさんに叱られていたが、うどんの茹で具合に関してはさすが一家の長。
大釜の中の麺をこん棒でゆっくり、ゆっくりと回しながら、頃合を見計らって一気に丼へ運ぶ。そのときだけは
ピッリッと素早い所作で、なんとも手練の技を見ているような気がしたものだった。そう、今の時期なら季節の品で
寄島のカキを使ったカキうどんがあった。備前焼の器に鎮座するうどんとカキは最高のご馳走だったな。
まったくもってすれっからしの安月給だったので、毎日は行けれなかったが、少しでも余裕があるときは、
カキうどんの大盛りに餅を2個入れて食べたものだ。どんでもないボリュームだったがお汁の一滴も残すことはなかった。
跡継ぎがいなくて、あっさりと店を閉めてしまったがあれは岡山のうどん、いや食文化の大いなる損失だと今でも痛感する。
近所のお好み焼き、一杯飲み屋、めし屋、そのうち記憶の彼方の幻の味となってしまうのだろう。
そう思うと、行けるときに行くべきだろう。自転車も同じ、乗れるときに乗る。これだ。