第50回中国地域自転車道路競争大会(中国地域ロード)レポ

第50回中国地域自転車道路競争大会(中国地域ロード)に参加してきた。

22位(出走42名 DNF12名)


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今年のコースは島根県「さくらおろち湖自転車競技周回コース」
一般成人男子は86.1km(12.3km×7周回 獲得標高約1400m)
登り、下り、平地が絶妙にレイアウトされた快走路だが
レースペースとなると下りは80km/h、登りも5倍強という
ハードな展開。後半は脚の痙攣と戦いながらのサバイバル戦となる。


中国地域ロードへの参戦は今回で5回目。
ここに出場するには岡山県代表選手に選ばれる必要がある。
昨年までは要領よく選考レースでそこそこのリザルトを出し、
すんなり選出されていたのだが、この一年で岡山のロードシーンも
一気に様変わり。つまり若手の台頭が顕著になった(嬉しいことだけどね)。


岡山県ロードが10位という微妙な着順、加えて引越やレース当日に
仕事の依頼もあって2週間前までは不参加と決めていたのだが…


諸々仕事の方でもご配慮頂き、なおかつ正式に代表にも選出され、
一気にレースモードへ。とりあえず練習を続けていたのが幸いだった。


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とはいえ参加選手がハイレベルな中国地域ロードではほとんど良い想い出はない。

2011年 島根さくらおろち湖 DNF(足切り
2012年 島根さくらおろち湖 7位
2013年 広島中央森林公園  DNF(足切り
2014年 鳥取倉吉市北栄町  33位


まともにチームに貢献したのは2012年のみで結果はお寒い限り…


さくらおろち湖はコース自体は好きなコースなのだが


今回は8位選手通過後5分で足切りというレギュレーションを


聞いて「メイン集団から遅れたら一発アウト」を再認識。


スタート前に覚悟を入れ直した次第。



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エントリーリストを見ると山口の白石選手や鳥取の清水選手の名前がない。


となるとヴィクトワール勢で固めた広島チームが抜き出ているのは明白。


実力的にも、戦術面でも。実際レースは予想通りの展開となった。


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9:00ジャストに成人男子スタート。


スタート後4km地点までがパレード走行で登り返しの直線からがリアルスタートとなる。


最初の登り区間はパレードスピードなのだがその割にはあまり脚は軽くない。


直感的に調子としては可もなく不可もなくといったところか。


下りの90度クランクコーナーを過ぎ、リアルスタートに向けて集団が加速して行く。


マーシャルカーのフラッグが赤から白に変わると一気に加速。


かなり踏み込まないとあっという間に集団後方まで下がってしまうほど。


この区間、軽量級はツライ。そしてその後もここで苦しむ事になる。


レースはその後のアップダウン区間でヴィクトワールの選手が


2名(宮田選手と宮口選手)エスケープ。広島主導で展開していく。


集団は泳がせながらタイム差キープ、約40秒くらいで推移する。


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3周目のスタートゴール地点で藤井さんが隣に。


「赤澤さん、ここが最後尾ですよぉ〜」と例の声で遠慮がちに。


案の定後ろ見たら誰もいなかった(ニュートラルバイクがすぐそこ)。


遠慮がちに注意してくれたんだなと理解(笑)。


もちろんその時点で遅れている選手は誰もいない。


その後は意識して中盤より前目に位置取る。


あとで思えばこの日のレースは位置取りの善し悪しでかなりダメージが


左右された気がする。特に最初の登り区間の入り口。


失敗したなと思ったことが多数あった(笑)


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3周目が終わるまでは比較的平穏に。逃げも吸収。


各県の代表だけに走りもこなれたもの。


集団を俯瞰すると岡山チームは全員前方に位置している。


なぜかねずみ色のだぼだぼジャージがよく目立つ(笑)。


個人的にはこのまま5周くらいまで行ってくれたらありがたいと


思ったりもしたがそんな甘い展開がロードレースで許されるはずもなく、


4周目の登りで広島チームがペースアップ。


うかつにも後方で登り始めたため、みるみるうちに前が遠ざかって行く。


オールアウトしないようジリジリと後尾を追ったがなかなか差が詰まらない。


結局、ピークで約10m差。


そのまま下りをMAX(自分比)で踏み倒したが距離は大して縮まらず。


それでもメイン集団は目視(100mくらいか)出来たので懸命に単独追走。


ただダメージは溜まる一方で、もうダメか…と思ったら


下り切ったあたりで後方から根本さん、白石さん、小原さんを含む第二集団が合流。


地獄に仏とはこのことで…(笑)


申し訳ないがそこでは少し回復を図らせてもらった(感謝)。


その後、無事メイン集団復帰。


次の5周目の登りは先ほどのミスを鑑みて集団前方に上がって登り始める。


まったく持って楽。4周目は無駄に脚削ってしまった。


結果的には4周目のダメージが最後まで引く事になる。


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で、5周目の登りは楽にクリアできたのだが…


そのまま下りに入ったら私の二人前の島根の選手が


あの90度クランクコーナーの曲がり口でパンク落車。


「パン」という音が聞こえたので瞬間的にブレーキで減速。


慎重に選手の動きを確認して幸い問題なくかわせたのだが、


その間前を行く集団は猛スピードでダウンヒル


慌てて減速リスタートの私はダダ抜かれ、中切れ状態に(泣)


またしても下りがMAX走、さらに脚を削ってしまう辛い展開に。


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それでも何とかメイン集団復帰。もう脚は残っていない(笑)。


懸命に回復を図るがダメージは大きい。


6周目の登りをイーブンで登らせてくれたらと願ったが


ショーゴ君と入木君のアタックで集団は一気に活性化。


まさにジリジリと遅れ始めなんとかすがろうと試みるも


ピーク最後の10mが詰め切れずジエンド。


悔しいがこれが実力だった。


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そこからは後方から追い上げてきた島根3人、山口1人、


岡山の白川君、メイン集団から下がった森井さんと合流し計7人で追走。


あとゴールまで1周半。


脚が攣らないようにドリンクを多めに摂る。


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そして最終回7周目。


登りになると白川君がペースアップ。思うところはあったが好きに走らせた。


平地の巡航スピードをもっと上げたかったがいざ踏もうにも脚がない(笑)。


定番通りのローテーションで途中何人かメイン集団からこぼれた選手をパスして


最後のゴール前の登りストレートへ。


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案の定、白川君が傾斜が強まるカーブ付近から前へ出る。


私は2番手。他県の選手を見るとキツそうな感じだったので


ここで前に出てペースを上げる。後続集団のゴールだが団体戦でも


あるので少しでも岡山勢の着順を上にしておきたかった。


この局面、当然疲労はMAXだったが、レース前にイメージしていたことを実践。


この辺りは妙に落ち着いていた。


出来るだけ体の力を抜き、バイクを遊ばせる感覚でゆっくりと加速。


スルスルとある一定域の出力をキープしたまま残り50mまで先行。


後ろからは誰も上がってこない。


ゴール前で白川君と森井さんが右から上がってきた。


他県の選手はこのペースアップに遅れたよう。


最後は脚が残っていたのでもうひと踏みして先着させてもらった。


イメージ通り7人の集団のうち岡山勢3人が前でゴール。


気持ち的には少し救われた感あり。



優勝は広島のショーゴ君。


ヴィクトワール広島の代表にふさわしい堂々たる勝ちっぷり。


責務を果たした男の笑顔は清々しかった。


岡山チームは入木君が個人2位、団体ではDチームが3位に。


入木君はショーゴ君と逃げての2位、本人は「先週と同じ展開でした」と


悔しがっていたが素晴らしい結果だと思う。


高校生の部では黒川君が積極的なレース展開を繰り広げたが惜しくも3位。


水色さんいわく「ほとんど黒川君が牽いていた」らしいが…


本人悔しそうだったが全日本、インターハイにその気持ちをぶつけて欲しいな。


その他では藤井さん、小原さん、岩井君が実力発揮。


カワタクは重要局面で脚が攣ったらしい(笑)。


萬ちゃんは本人いわく不本意な結果とのこと。次に期待。


森井さん、白川君も初参加ながら積極的な走りでゴール。


チームメイトの根本さんと白石さん、重森君は惜しくもDNF。


いみじくも地脚のある3人でさえ足切りにあうのだから


いかにロードレースが厳しいものか分かるはず。


ほんの少しの展開の変化で結果が左右されてしまう。


シビアだがそれがレース、だからやり遂げたときの達成感が大きいのだろう。


私自身ほとんど経験はないが…(笑)



そうだ。


山口チームの大村君(日大自転車部)の元気な顔を久しぶりに見た。


私の顔を見るときちんと挨拶してくれ、今後のことをいろいろ教えてくれた。


おっさんはこういうのに弱い(笑)。


4年前同所で行われた中国地域ロードで彼は高校の部で優勝。


その時は師匠の白石選手(一般成人)とアベック優勝を果たした。


その時の晴れやかな顔は今でも鮮明に記憶している。


彼の礼儀正しい所作を見るにつけ、無垢だった高校生が


立派な男に成長したんだなと思うと妙に嬉しかった。


今回一緒に走った若手の面々、ドメや黒川君、コウタ、今井君…


岡山にも兆しはある。


願わくば、私がまだ走れるうちに才能を開花させて欲しいな。


最後に。


快くメカニックを引き受けてくださった中山店長、


貴重な練習時間を割いてサポートに来てくれたドメ、


そしてすべての段取りを完遂してくれた冨さんに


この場を借りて感謝。ありがとうございました。