愛すべき下町の小さな寿司屋

最近、どうも疲れが抜けにくい。悲しいことに夕方になるとガクンとスイッチが落ちる。
スタッフが退社すると、張り詰めていた脳の回路が切れるのか、つい事務所のソファにバタンキュー。
体調不良の原因…思い当たる点は多々あるが、やはり食事の影響が大きい気がする。
本来なら筋金入りの魚食いのワシがどうしても外食が多いため、つい肉中心となりがち。
だったら魚食べろよと思うかもしれないが、岡山でうまい魚を出す店はごくごく限られる。



で、昨夜は適当な時間に仕事が終わったので、ふと思いついて久しぶりにいきつけの某寿司屋へ。
昔はやんちゃしていたであろう気のいい兄弟が切り盛りする下町のこの店。通い始めて15年くらいになるか。
仕事柄いろんな店を来訪するが、ワシが自腹で食べにくるのはここだけだ。客あしらいは多少荒いが
それはご愛嬌、乙島育ちのフィッシュイーターを陶酔させるだけのネタと技がここにはある。
ワシが通えるくらいだから値段は言わずもがな。良心的この上ない。

↑まずビールのアテに「ヨコワのたたき」。自家製のポン酢(これが絶品)と薬味に脂の乗ったヨコワを絡ませて…

↑お兄さんお奨めの「カレイの薄造り」。お兄さんのお奨めで外れたことは今だかつてなし。その身の甘いこと!

↑じっくり焼き上げた「カマスの塩焼き」。淡白ながらしっかり主張する身。パリパリの皮の香ばしいこと。

↑ママカリ。どこぞの砂糖甘いハイパー割烹のそれとは対極をなす一品。しっかり酢の味がする。ええ按配。

↑糸造りにしたイカを塩でいただく。包丁使いと素材、塩のみで勝負の一品。ごまかしは一切効かない。最高です。

穴子です。これだけは外せない。口に含むとホクホクを身がほぐれ、ツメの甘みと穴子の脂がじんわり広がる。幸福。

↑ワシは基本、寿司屋ではマグロを食べない。乙島の人間だからね。でもこれは別。マグロの漬け。ゼッタイ外せない。

↑平目。自家製ポン酢とおろしをあわせていただく。さっぱりと切れのある、握り手の腕前がわかる一品かも。

↑〆のウニ。口の中でモサモサする軍艦巻きではない。これも塩でいただく。食ったあと10分、余韻が残る。


ワシの場合、かなりの偏見と自己中心的な性格からか自分から足繁く通う店は、あまり多くはない。
そういった意味ではこの店は稀かも。メリハリのある客あしらいだが、決してツボは外さない(事実、客筋はすごい)。
だからヒネクレもののワシでも安心して、胸襟を開いてお任せにできる。


ご多分にもれず、実はここのお兄さんはとんでもない遊び人。バイク、山スキー、テニス(似合わん)、そしてMTB…。
WAVEにもちょくちょく顔を出しているよう。昨日はカウンターに座った瞬間…「赤マドンさん!」って…バレとるがな!
唯一の難点はいつ電話してもいっぱいだってこと。下町のカウンターのみの愛すべき小さな店。次はいつ行こうかな。