とある元ラガーマンの手記

ウチの得意先のひとつに、といっても代理店経由だが高齢者向け介護施設を運営している会社がある。
そこが毎月発刊している施設向けの会報誌のようなものがあって、内容は入居者やその家族が書いた
手記を載せたものだが、ウチは簡単な編集とデザイン全般を担当している。
作業段階では都合上、当然ながら寄せられた多くの手記を読むことになる。
それがなかなか面白いというか、すごいというか、心を打つものが多い。
今日は朝一で出社して、今月号の原稿をひとつひとつ丹念に読んでいた。
その中に詳細には書けないのだが94歳になられる元ラガーマンの方の手記があった。
高校からラグビーを始め、大学、実業団へと進み、太平洋戦争を体験し、
戦後再開された全国社会大会では3連覇を達成されたとのこと。
でもこの方の素晴らしいのはここから。その後、40歳にして海外赴任。
着任早々にラグビー部を立ち上げ、海外でもラグビーの血潮を燃やしたそうだ。
「そこでの3年余りは、正に私の青春時代でした」
・・・とその当時の思い出を締めくくられている(これ、ほんとに、いい言葉だと思います)。
ワシは知らなかったのだがラグビー界は、ラガーパンツで年齢が分けられているそうだ。
40代は白、80代は紫、90歳以上は黄金パンツだそうで、その方は世界でただ1人、
90歳で実際に試合に出てグラウンドを駆け抜けまわったらしい。歳を重ねてからも体力維持のために
「3日おきに30メートルダッシュを6回!」を自らに課し、
健脚維持のため毎日2〜3kmの散歩も欠かさず続けられたそうだ。
残念ながら、満92歳の時、ラグビーの練習試合中に相手タックルによって負傷され、
現在は車椅子生活とのことらしいが身体が不自由になった今でも「何事にも努力すること。
ラグビーのように前に向かって突き進んでいくことが私のモットーです」と締めくくられている。
あ〜〜〜いつまで仕事できるんだろうか?とか、いつまで自転車乗れるかなあ?
なんてときどき考える自分が恥ずかしくなった。
久しぶりにジーンときた。気が上がった。まだまだ在野には素晴らしい人がいる。あなどれないな。